患者 | 50代男性 |
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主訴 | 「数年前に治療した歯が最近噛むと痛い。たまにズキズキする」とご相談いただきました。 |
診断 | レントゲンを撮影したところ、左下の奥歯(第2大臼歯/7番)の神経が虫歯の細菌感染によって死んでしまっており、炎症が歯の根っこの周囲にまで及んで噛んだ時に痛みが出る「歯根膜炎」を起こしていました。
また、歯の内側から虫歯が広がり、歯の厚みが薄くなっていました。 |
行ったご提案・治療内容 | 死んでしまった神経を取り除く「根管治療」を行ってから、殺菌作用が高く神経の穴をぴったり埋めることができるセメント「MTA」を詰めて歯根膜炎の治癒を図る方法をご提案しました。
MTAセメントを用いた神経の治療は自費になりますが、今回のケースは保険適応の材料では治癒が難しいことを患者様に丁寧にご説明したところ、自費での治療をご希望されました。 神経の治療が終了した後は、強度があり虫歯が再発しにくい「ゴールド」の被せ物を作製し、装着しました。 |
治療期間 | 約1ヶ月 |
費用 | 根管治療費 110,000円 被せ物 110,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 術後3ヶ月に経過を拝見したところ、痛みや炎症などもなく良好な状態でした。 患者様からも「痛みが無くなって、治療した歯で問題なく噛めている」とお喜びの声をいただきました。 |
治療のリスク | 歯が薄くなっているため、強い力がかかると割れることがあります。 |
治療前
レントゲン像より、内側に感染が起こり虫歯が広がっているのが確認できます。
治療中
歯の後ろ側にも虫歯が広がっています。
治療後
患者 | 60代男性 |
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主訴 | 「ブリッジがぐらぐらして噛めないのでなんとかしたい」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、ブリッジを支えていた土台の右上奥歯(第2小臼歯/5番)に虫歯が再発していました。虫歯を長期間放置したことや噛み合わせによって歯が欠けたり折れたりしたのが原因で、ブリッジを支えられなくなり、ぐらぐら動いてしまっていました。 虫歯は深く、歯を保存するのは難しい状態だったため、抜く必要があることをご説明しました。 また、虫歯の手前の歯(第1小臼歯/4番)には人工の歯である「インプラント」が埋入されており、奥側の歯(第1大臼歯/6番)はありませんでした。 |
行ったご提案・治療内容 | まずは虫歯になっていた右上奥歯を抜き、歯がなかった奥側にインプラント治療を行った後、もともとあったインプラントと合わせて土台にして人工の歯を橋渡しする「ブリッジ」での修復をご提案し、ご了承いただきました。
新たにインプラントを入れる奥側の歯は、隣の虫歯の細菌感染により骨が溶けてしまっていて、インプラント埋入に必要な骨量がありませんでした。そのため、インプラントを埋入する前に、歯の根を支える骨である「歯槽骨」を増やすため、人工骨や他の部分から骨を移植して骨量を増やす外科処置「サイナスリフト」を行いました。 十分な骨量を確認した後、予定通り奥側の歯にインプラントを埋め込み、ブリッジを作製しました。 |
治療期間 | 8ヶ月 |
費用 | 800,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 治療後8ヶ月経過した現在、インプラントやブリッジは脱落することなく、安定して噛めています。 |
治療のリスク | 被せ物は欠けることがあります。 |
治療前
保存不可能な歯(第2小臼歯/5番)の部位には、インプラントを入れる骨量がないのが確認できます
治療中
サイナスリフトを行い、インプラントを埋入
ブリッジの型取り
治療後
患者 | 50代女性 |
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主訴 | 「歯ぐきがたびたび腫れる。噛むと少し痛い」とご相談をいただきました。 |
診断 | 拝見したところ、右下の一番奥の歯(第2大臼歯/7番)の外側(頬側)の歯ぐきが腫れていました。 レントゲン、CT(3Dレントゲン)、歯周検査により、歯の根っこの二股に分かれている部分「根分岐部(こんぶんきぶ)」にあるはずの骨が歯周病によって溶けて細菌が溜まる「根分岐部病変」だとわかりました。 根分岐部は複雑な形をしていて、今回の患者様のように歯ぐきの中に隠れてしまっている場合、器具を使っても細菌を取り除くことは困難です。 |
行ったご提案・治療内容 | 薬剤を使って骨の組織を回復させる「再生療法」をご提案し、ご了承を得ました。
まずは歯ぐきを切開して根分岐部に足りない骨の量を確認してから、歯周組織の再生を促す「リグロス」と骨補填材「サイトランス」という再生療法用の薬剤を入れました。 その後、歯ぐきの状態が落ち着いてからレントゲンで骨が再生したことを確認し、新たな被せ物を作製しました。 |
治療期間 | 約1年 |
費用 | 100,000円(材料代込み) |
術後の経過・現在の様子 | 歯ぐきの腫れや、噛んだときの痛みがなくなり、快適にお過ごしいただけるようになりました。 術後6ヶ月経つ現在も、良い状態を保っています。 |
治療のリスク | 検診や日頃のブラッシングが不十分な場合、症状が再発する可能性があります。 |
治療前
歯ぐきに腫れが見られます。
被せ物が歯にぴったりフィットしていません
治療中
組織を再生させる薬剤を入れ、移植した歯ぐきを配置しました
術後3ヶ月
治療後
よく患者さんからインプラントはどのくらい持つの?一生持つの?
という質問を受けます。
今回はインプラントの寿命や長持ちさせるために必要なことについてお話しします。
結論から言いますと、インプラント自体(チタン)の寿命はかなり長いと
思います。
しかし患者個々の噛み合わせ、(強い、弱い)、口腔内環境、清掃状況、全身状況等
患者一人ひとり状況が違うため一概に結論づけできないのが現状です。
まず噛み合わせが強ければそれに負けてインプラント自体が折れることもあります。
清掃状況が悪ければインプラントに炎症が起こり抜けてきてしまいます。
何十年と経過良好であったのに全身状況が悪くなりインプラント周囲炎に罹患すること
もあります。
このようにさまざまなことが関係してきます。
ただ言えることはインプラント治療は費用対効果が非常に高いということです。
最初の治療費はかかりますが長い目で見ると失った部分を他の歯が負担するのではなく
インプラントで再生させることになるため他の全ての歯を守ることができます。
これはインプラント治療しかできないことです。
また入れ歯を安定させるインプラント治療を行えば入れ歯の方でも咀嚼能力は格段にアップ
します。ひいては長寿につながっていきます。
自分の寿命とインプラントの寿命がリンクすればこんないいことはないのかもしれません。
ただ、長持ちさせるためにはきちんと定期検診をうけご自身の口腔内環境をきちんと整えて
おく必要があります。いれたら最後ではなくここからが重要ということです。
インプラントの寿命を延ばしたいのであれば、とにかくプロの定期検診を年に最低でも3回以上は受けるよう心がけてください。
いかがでしたでしょうか?
インプラントの寿命は患者様の口腔環境(嚙み合わせの強さや清掃状況)によって変わってきますが、一番大事なことは歯科医院で定期検診を受けることで長持ちさせることできます。
セルフケアだけでなくプロの検診を受けることで、インプラントのみならず他の自然な歯も虫歯になりにくくなります。健康な歯を保ち続けていきましょう。
インプラントや予防に関するご相談やご予約はお電話・WEB予約で承っております。
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■60代女性「歯を入れたい、噛めないのでなんとかしたい」
骨量が少ない部分に骨増加(サイナスリフト)を行いインプラントで審美修復したケース
患者 | 40代男性 |
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主訴 | 「歯肉が腫れてきた、噛むと痛い」とご相談をいただきました。 |
診断 | 診察したところ、右下の親知らず(第3大臼歯/8番)が歯肉に埋まっていることが原因で、親知らずと隣の歯(右下の第2大臼歯/7番)の間に細菌が入り込み、歯の根を支える骨である「歯槽骨」や歯肉に感染が起こって一番奥の歯肉が腫れていました。 親知らずが感染源となっているので、歯肉の腫れの解消には、親知らずの抜歯が必要であることをご説明しました。 また、親知らずの影響で隣の歯は歯周ポケットが深くなっており、歯周病が進行していて、状態が良くないことをお伝えしました。 |
行ったご提案・治療内容 | 親知らずと隣の歯を抜き、同じタイミングで隣の歯を抜いた部分に親知らずを移植する治療をご提案しました。 抜歯したまま放置すると噛み合わせが悪くなるなど残っている歯にも悪影響があるため、即時移植が最適と診断しました。 しかし、移植がうまくいくのは44歳までという医学的データがあるため、もし移植した歯がきちんと着かなかった場合は、定着率が高く、人工の歯を埋め込む「インプラント」で修復することをご説明し、患者様の承諾を得られましたので治療を開始しました。 |
治療期間 | 約3ヶ月 |
費用 | 約100,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 治療後は歯肉の腫れが引き、噛んでも痛みが出なくなりました。 親知らずの移植から6ヶ月経った現在、移植した歯はしっかり定着し、噛み合わせも良好です。 |
治療のリスク | 移植した歯が完全に着く前に歯に負荷をかけてしまうと、抜けてしまったりうまく定着しなかったりする可能性があります。そのため、歯を移植した後はしばらく硬いものは避けなければいけません。 |
治療前
歯肉が赤く腫れているのがわかります
右下の親知らずが歯肉に埋まっているのがわかります
治療前
治療中
親知らずの歯根を取り、仮の薬を詰めて歯根周囲組織の治癒を図りながら経過をみる「仮根充」を行いました
移植から約1ヶ月後、歯の根っこがあった部分を綺麗にして歯の感染を予防するために再び「根管治療」を開始しました
親知らずを抜歯後、隣に移植
治療後
歯肉の腫れも引いています
親知らずの移植後
患者 | 30代女性 |
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主訴 | 「差し歯が取れたので診てほしい。以前にも何度か外れたことがある」とご相談をいただきました。 |
診断 | 拝見したところ、左上の差し歯(第2小臼歯/5番)が取れていました。
歯ぐきから出ている歯の面積が少ないため、差し歯をくっつける際に十分な接着面が確保できず、噛んだときなどの負荷に弱く外れやすくなっていました。 |
行ったご提案・治療内容 | 歯の根っこを引き上げて歯ぐきの上に出る歯の面積を増やす処置をしたうえで、新たな被せ物をすることをご提案しました。
引き上げる歯に装置を固定し、両隣の歯に取り付けた金属のバーとゴムで繋ぐことで、ゴムの力によって徐々に歯を引き上げていきました。 被せ物を接着するのに適した面積が歯ぐきの上に出たことをレントゲン検査で確認後、新たな被せ物の製作に進みました。 |
治療期間 | 約4ヶ月 |
費用 | 約182,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 被せ物が取れることがなくなり、大変ご満足いただけました。 治療後6ヶ月が経つ現在も、良い状態のままご使用いただけています。 |
治療のリスク | セラミックは、食いしばりや硬いものが当たると欠けたり割れてしまう場合があります。 |
治療前
治療中
歯ぐきの下にある歯の根っこを矯正の力により上に露出させる「矯正的挺出」
矯正的挺出により、全ての歯の面が出ているのが確認できます
挺出後のレントゲン像
治療後
歯の形も回復しています
原状回復されています
患者 | 30代女性 |
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主訴 | 「歯ぐきが腫れていて、噛むと痛いので治療して欲しい」とご相談をいただきました。 |
診断 | 診察したところ、他院で神経の治療をされていた右下奥歯(第2大臼歯/7番)の内側の歯ぐきが腫れていました。
レントゲン検査で、歯の神経が入っている部屋である「根管(こんかん)」に隙間が見られました。 患者様からは「できるだけ歯の寿命を長くしたい」とのご希望をお伺いしました。 |
行ったご提案・治療内容 | 根管に隙間がある今の状態だと再び細菌に感染してしまうリスクがあるため、根管治療のやり直し(根管の埋め直し)の後に新たな被せ物(クラウン)をすることをご提案し、ご了承いただきました。
まずは、根管の中を専用の詰め物でしっかり密閉し、虫歯菌などの細菌が入り込まないよう処置しました。 新たな被せ物には、腐食や酸化に強く、強度が高いチタン素材を選択しました。チタン素材の被せ物は、噛む力が強い奥歯に向いています。 |
治療期間 | 約1ヶ月 |
費用 | 約100,000円 (根管治療のみの費用) |
術後の経過・現在の様子 | 歯ぐきの腫れや噛んだときの痛みがなくなり、治療から2ヶ月経った現在も被せ物も問題なくご使用いただけていて、経過は良好です。 使用感や仕上がりについて、患者様にもご満足いただけました。 |
治療のリスク | ・まれに根管治療後も再治療、外科処置、抜歯などの処置が必要となる場合があります。 ・治療中、まれに器具の破折、突き刺さり、修復物の損傷、歯の破折、術中・術後の不快症状、術後の痛みや腫脹などが生じる可能性があります。 ・一部の治療を除き自費診療(保険適用外)となります。 ・噛み合わせや歯ぎしり、強い衝撃等により被せ物が割れることがあります。 |
治療前
歯ぐきの腫れが見られます
治療中
治療後
患者 | 20代女性 |
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主訴 | 「治療途中になっていた歯から変な味がする。再発しない方法で治療してほしい」とご相談いただきました。 他院で治療中に引っ越すことになり、治療が中断してしまった患者様でした。 |
診断 | レントゲン撮影の結果、歯の根っこの先に黒い影が見つかりました。根の先の周辺で炎症を起こして膿が溜まっている状態で、歯の根っこの治療(根管治療)を行う必要がありました。
また、歯茎には膿の出口である「瘻孔(ろうこう)」と呼ばれるおできがありました。 |
行ったご提案・治療内容 | まずはしっかりと根管内を清掃・消毒し、最後に歯の根っこに、封鎖性が高く細菌の侵入を防ぐことができ、殺菌作用も高い歯科用セメント「MTA」を詰める治療をご提案しました。
今回のように歯の根っこの炎症が強い場合、MTAを使用しないと治癒が難しいことを患者様にお伝えしたところ、ご了承をいただきました。 最終的な被せ物の素材は、セラミックの中でも耐久性が高い「ジルコニア」をご選択されました。 |
治療期間 | 約1ヶ月間 |
費用 | 根管治療費:110,000円 補綴治療費:110,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 術後6ヶ月が経過した現在、痛みや腫れはなく、再発もしておらず、良好な状態を維持しています。 「膿が出たり、変な味がしたりすることもなくなりました」と患者様にも喜んでいただけています。 |
治療のリスク | ジルコニアは強度が高い素材ですが、強い歯ぎしりや硬い物を噛んだ時などに割れることが稀にあります。 |
治療前
治療中
MTAによる根管充填(根管治療の最終段階で薬剤を根に詰めること)
治療後
周囲の歯と調和の取れた被せ物が装着されている
患者 | 40代女性 |
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主訴 | 「歯がしみる気がする。虫歯かどうか見てほしい」とご相談をいただきました。 |
診断 | 違和感を感じている歯は、数年前に治療済みで、詰め物が劣化しており、歯にフィットしていませんでした。 レントゲン検査で確認したところ、詰め物の下に二次的な虫歯が見つかり、虫歯の治療が必要でした。 新たな被せ物の素材について患者様に伺うと、「割れない材質、長期的に使用できるもの」とご希望されました。 |
行ったご提案・治療内容 | まず被せ物を外して虫歯を取りきった後、新たな被せ物の素材には、「コンポジットレジン」や「セラミック」と比べて耐久性や審美性は劣るものの、歯と同等の硬さで天然歯と同じように使用できる点から「ゴールド」での修復をご提案したところ、ご了解を得ました。 |
治療期間 | 約4週間 |
費用 | 約163,600円(2本分) |
術後の経過・現在の様子 | 痛みや腫れは出ておらず、歯がしみる症状もなくなりました。嚙み合わせにも問題なく、ご使用いただけています。 治療から3ヶ月経過した現在も、経過は良好です。 |
治療のリスク | ・周囲の歯の色と異なります。 ・保険適応外の治療です。 |
治療前
治療前は金属が変色している
レントゲン検査
治療中
金属を外した状態。二次的虫歯が確認できます。
虫歯を除去し、裏装(歯の根っこを保護)したところ
治療後
患者 | 50代女性 |
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主訴 | 「金属アレルギーなので銀歯を別の素材できれいにしたい」とご相談をいただきました。 |
診断 | 拝見したところ、保険適応の銀歯がぴったりフィットしておらず、隙間ができており、その隙間から再び虫歯ができていました。
金属アレルギーのある方が銀歯を入れていると、お口の中や顔・全身にアレルギー症状を引き起こすリスクがあります。そのため、銀歯を除去し金属素材を使わない「メタルフリー」の素材で新たに詰め物を作り直す必要があると判断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | まずは銀歯を外して虫歯を取り切ってから、メタルフリーで金属アレルギーの心配がないセラミック系素材である「ジルコニア」での治療をご提案しました。ジルコニアは白く見た目が良いだけでなく、劣化しにくく歯に隙間ができにくいため、虫歯の再発予防にもつながります。 |
治療期間 | 約2週間 |
費用 | 190,000円(2本分) |
術後の経過・現在の様子 | 治療から6ヶ月経った現在も、詰め物は割れたり欠けたりすることもなく、しっかりフィットしており、金属アレルギーの症状も出ていません。
患者様からは「金属アレルギーの心配がなくなり、見た目も良くなって嬉しい」と喜んでいただけました。 |
治療のリスク | 詰め物が欠けることがあります。 |
治療前
治療中
治療後
虫歯によって欠けていた部分は修復され、歯全体の形も整っています。