歯周病とは、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが破壊される病気で、かつては歯槽膿漏と言われていました。
歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に細菌が入り、歯肉が炎症を起こし赤く腫れて、ブラッシング時に出血します。
しかし、痛みは全くありません。
さらに進行すると、歯肉の中にある歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて、膿が出たり歯がグラグラしてきます。
この時期になると、やっと痛みや腫れをともないます。
そして、最後には歯が抜けてしまいます。その理由として、初期の段階では虫歯のように歯に穴があいたり、痛くなったりと言ったはっきりとした症状が現れにくく、かなり進行しないと、痛みや腫れと言う自覚症状が現れないからです。
さらに、日本人には歯の定期検診を受ける習慣があまりないこと、また歯周病を確実に治療できる歯科医が残念ながら非常に少ないことなどが考えられます。
一生自分の歯で噛むためには、むし歯の予防と同時に歯周病の予防と適切な治療が大切なのです。
歯周ポケットの中に隠れて見えない歯石と喫煙です。
目で見える所につく歯石よりも、歯と歯ぐきの隙間に隠れて見えない歯周ポケットの中の歯石が歯周病を悪くします。
タバコを吸う人は、吸わない人よりも歯周病を引き起こしやすく悪化のスピードが速いため、改善しにくくなります。
ニコチンが血流を悪くするため歯ぐきに酸素や栄養が行き渡らず、歯ぐきの抵抗力が弱まってしまいます。
歯周病がどれだけ進行しているかは、歯ぐきの状態をみれば分かります。
歯茎からの出血は歯を支える歯ぐきに炎症がある証拠で、歯周病の特徴的な症状と言えます。
炎症が進み歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)ができるほどになると歯を支えている顎の骨の一部である歯槽骨の破壊がはじまります。
歯周ポケットの深さが4mm以上になると病状はかなり進行しているといえます。
ポケットの中は歯周病菌が繁殖しやすい環境なので、歯周ポケットの深さが6mm以上になると歯槽骨の破壊がさらに進み、ついには歯が抜けてしまいます。
食べたら磨くという習慣をつけることです。
ポイントは正しいブラッシングでプラークを取り除き、歯周ポケットを作らないことです。
また、不規則な食生活、偏食、喫煙などの生活習慣の改善することで、抵抗力が高まり悪化を防ぐことができます。
歯周病や虫歯の原因はプラークです。
このプラークは丁寧なブラッシングによって、大部分を取り除くことができます。
つまり適切なブラッシングを続けることで、歯周病を予防することができるのです。
それだけではありません。
程度の軽い歯周病であれば、ブラッシングで治してしまうことも可能です。
ブラッシングの指導を受けよう
歯科治療の最も基本になるのが、正しいブラッシングの方法を患者さんに知ってもらうことです。
歯科医師による診断と治療方針により、歯科衛生士がブラッシングの方法を指導します。
ブラッシングとは歯を磨くだけではありません。
歯ぐきのマッサージをすることも大切な要素です。
治療をしたあと、3ヶ月か半年などの一定期間が経ってから、再び診察することをリコールといいます。
リコールは、症状が改善されているのか、また、新しい病気にかかっていないかを確認するために必要なことです。
リコールのときは病状の確認ばかりではなくブラッシングの大切さを改めて認識したり、プラークや歯石がたまっている場合には、スケーリング・ルートプレーニングも行います。
長期的にみると、リコールを行っている人と行わない人では歯を失う率に大きな差が出てきます。
スケーリング(歯石除去)
歯石は自分で取り除くことはできません定期的に歯科医院へ行き、歯石を取り除いてもらいます。
これをスケーリングといいます。
また、ルートプレーニングによって歯ぐきのさらに奥の歯根面を滑らかにしてプラークをつきにくくします。
PMTC
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略でプロによる歯のクリーニングを意味します。
具体的には歯石の除去やクリームを使った器械的研磨をおこないます。
虫歯や歯周病の予防になります。
約20年ほど前に虫歯、歯周病の予防管理を目的として北欧でシステム化され、現在多くのリサーチに裏づけられて着実な臨床実績を上げています。
【PMTCによる効果】
歯の表面がつるつるして気持ちいいばかりではなく、プラークに含まれる雑菌を落とすことにより、虫歯・歯周病予防の効果があります。
また、歯肉の腫れや痛みを抑え、苦痛緩和、歯の延命効果も期待できます。
歯周病(歯槽膿漏)は日本人の80% がかかるといわている病気です。
しかし、みんながかかっている病気だからといって馬鹿にしてはいけません。
そのままほおって置くとすべての歯を失う可能性もあります。
ここでは健康な歯周組織の状態から重度な歯周病の症状を紹介します。
ぜひこの機会にあなたの歯周病のセルフチェックをしてみてください。
健康な歯ぐきは薄いピンクで弾力と張りがあり引き締まっています。
しかし、みんながかかっている病気だからといって馬鹿にしてはいけません。
健康な歯周ポケットは0.5~2mm程度です。
しかし、みんながかかっている病気だからといって馬鹿にしてはいけません。
ブラッシングをしても出血がありません。
しかし、みんながかかっている病気だからといって馬鹿にしてはいけません。
この状態を保つには歯肉溝にプラークがつかないように、適切なブラッシングを行い、定期的な歯科医院で健診を受けることが大切です。
軽度の歯周炎は歯ぐきが少し赤みを帯び腫れた状態になります。
この状態の歯周ポケットは3~4mm程度です。
この場合の治療方法は、病気の原因であるプラークや歯垢を丁寧に取り除く事から始まります。
中程度の歯周炎になると、口臭がひどくなり、化膿します。
ブラッシングをした際に膿がでることもあります。
歯周ポケットは4~5mm程度です。
この場合の治療法はスケーリングやレーザー治療器などを使用して治療をしますが、歯周ポケットが5 mm以上深くなるとフラップ手術をする場合があります。
フラップ手術は局所麻酔後、歯ぐきを切開し、深い部分に隠れているプラークや歯石を取り除き、歯周病の進行を止める手術を行うことがあります。
重度の歯周炎になると、歯がグラグラして、歯と接している歯ぐきがさらにぶよぶよと腫れ、化膿がさらに進み退縮します。
歯と歯の間が広がり、歯ぐきが退縮して、歯が長く見えます。
この場合の治療法は再生療法を用いて歯周組織の再生を図ります。
しかし、ここまで進行すると抜歯となる可能性もあります。
歯周病でも比較的軽い歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。
この場合の治療法は再生療法を用いて歯周組織の再生を図ります。
しかし、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要になります。
GTR法
GTR法(guided tissue regeneration)は歯周外科後、メンブレンを挿入することにより歯周病の炎症により破壊されたセメント質などの硬組織を新生させ、喪失した付着の回復はかる歯科の治療法である。
1982年にイエテボリ大学(スウェーデン)のスティーレ・ニーマンらによってGTR法の成功が初めて報告された治療法です。
歯周組織再生誘導法または組織再生誘導法ともいう。
GTR法は、どの歯科医院、病院でも受けられる医療ではなく、しっかり学会、研修会や実臨床でトレーニングを積んだ歯科医院で治療することをお勧めします。
エムドゲイン
エムドゲイン(EmdogainR)はビオラ社により開発されたエナメルマトリックスデリバティブを主成分とする歯周組織再生誘導材料。
スウェーデンのカロリンスカ研究所で、ビオラ社の創立者のDr.Hammarstromらにより開発された治療法です。
歯周病における従来型の治療は歯石、壊死セメント質などの炎症を惹起させる原因物質を除去し、治癒を促すものだったが、すでに破壊された歯周組織の再生は難しかったですが、エムドゲインは歯周外科の治療後に塗布することにより、破壊されたセメント質などの再生をはかるものです。
歯周病が重度に進行し歯を失う、もしくは、抜歯を宣告された場合でも、諦める必要はありません。
ここで諦めてしまえば、歯周病の浸蝕は速いもので、その他の歯を蝕み最終的には全部の歯を侵蝕し、すべての歯を失うケースもあるのは事実です。
失った自分の歯をもう一度、取り戻すことは不可能ですが、これ以上悪くならない努力がもっとも大切です。
歯を失った場合に適した治療
・歯牙移植
歯牙移植は、親知らずなどの不要の歯を失った部分に移植するという治療法です。
ただし、すべての歯に移植が可能でなく、条件に合った歯が必要になります。
・インプラント治療
インプラント治療は歯周病などで失った歯の顎骨にチタン製のインプラントを埋め込み、その上に被せ物を固定する治療です。
重度の歯周病で歯を失った患者様には、GTR法やエムドゲインなどの歯周組織の再生療法と併用して、インプラント治療を施すケースが多いです。
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