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海谷歯科医院

5月, 2024年

ラミネートベニアとセラミッククラウンとの違い[2024年05月15日]

みなさんこんにちは。海谷歯科医院海谷です。

ここ10年前ぐらいからMIという言葉を聞かれたこともあると思います。MIを一言で言うと低侵襲治療ということでしょうか。
少ない治療範囲、治療行為で最大限の効果を得るという治療法になります。

例えば同じ歯を白くする方法で全て削って被せる方法、一部削って被せる方法、歯に薬液を浸透させて白くする方法があります。
ここで言えば同じ効果を得られるならば最後の方法が一番侵襲が低い方法と言えます。しかしそんなに世の中は甘くはありません。(笑)

これがいわゆるホワイトニングという治療法です。効果は人それぞれになり時間と回数がかかります。費用的には一番抑えられます。
もちろん歯の形態は変えることはできないので、歯の形のよく治療をしていない健全歯が適応となります。
歯を治すというよりは色を白くするということになります。

セラミッククラウンは歯を360度削ってセラミックを被せる方法です。これは適応が一番広く、色がついた処置歯(失活歯)も元通りに形態も色も戻すことができます。
侵襲は一番大きくなるデメリットはありますが確実な方法と言えます。

ではラミネートベニアとはどういう治療法でしょうか?
わかりやすくいえば歯の表面だけを一層削って、爪のような薄いセラミックを歯に貼り付ける方法です。
歯を削ることは削りますがエナメル質内に留めるため、歯の強度は保たれます。
ある程度の歯の形態も回復させることも可能になります。

これを聞くだけであれば一番良い治療法と言えますが、やはりデメリットもあります。

  • 被せ物が薄いため強度が弱い
  • 被せ物が薄いため下の歯の色を拾いやすい(審美的に不利)
  • 噛み合わせがタイトな患者には使用できない
  • 被せ物に比べ取れやすい

というようなデメリットがあります。
しかし条件が整えば非常に優秀な治療法です。
今は治療法が多岐にわたります。きちっと診断、説明してくれる歯科医院を選んでください。
歯を一生使えれば元気でいられますから。

 

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記事の著者

海谷 幸利

海谷 幸利(かいや ゆきとし)

経歴
1996年 海谷歯科医院 開業
歯学博士
所属学会・スタディグループ
5-D Japan メンバー
OJ 正会員
EAED(ヨーロッパ審美学会)アフィリエイトメンバー
東京SJCD会員
国際インプラント学会 認定医(ICOI)
AAP会員
南カリフォルニア大学客員研究員
日本顕微鏡学会会員
日本歯周病学会会員
厚生労働省認定臨床研修指導医

50代男性 虫歯を取り除き「ジルコニアクラウン」で噛み合わせと見た目を改善した症例[2024年05月15日]

患者 50代男性
主訴 「歯に穴があいている。なんとか残せるような治療がしたい」とご相談いただきました。
診断 拝見したところ、左上の奥歯(第1小臼歯/4番)は、隣の歯(第2小臼歯/5番)と接している部分に虫歯が生じており、レントゲン撮影で詳しく確認した結果、虫歯は歯の神経まで感染が広がり神経が壊死していました。

このまま放置すると、根の先端が炎症を起こし根を支える骨が溶けるおそれがあるため、早めの治療が必要と診断しました。

行ったご提案・治療内容 診断結果をしっかり説明したうえで、まずは虫歯部分を除去して壊死した神経を取り除いてから、神経が入っていた管を清掃し消毒する「根管治療」を提案しました。

根管治療後に神経の代わりとなる薬を管に詰める処置「根管充填」を行いますが、薬剤にはケイ酸カルシウムを主成分とした、封鎖性がよく細菌の侵入を防ぐことができる「MTA」を使用することをお伝えし、治療に同意いただきました。

また根管治療後の修復方法として、患者様は「長持ちする素材で噛む力にも耐えられる自然な色味の詰め物で治療したい」と希望されたため、天然歯に近い色合いで耐久性にも優れ長期間の使用でも変色しにくい被せ物「ジルコニアクラウン」をおすすめし、了承いただいています。

まず、隣接面の虫歯部分を取り除き根管治療と根管充填を行ったあと、最終的な被せ物を装着するための土台を作ってから形を丁寧に整えました。
その後、被せ物の型取りを行い完成したジルコニアクラウンを装着し、しっかりと噛み合わせを調整してから治療を終了しました。

治療期間 約1ヶ月
費用 242,000円
<内訳>
根管治療費、被せ物治療費
術後の経過・現在の様子 治療部位の違和感や痛みはなく、噛み合わせも問題ありません。また周りの歯となじむ自然な仕上がりになりました。
患者様には「歯を残せてよかった。歯の色も自然で満足している」と大変お喜びいただきました。

治療から3ヶ月経過した現在も経過は良好です。

治療のリスク ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、被せ物が割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者
治療前のレントゲン写真です。歯茎に腫れが生じていました。

治療中

治療中 | 市ヶ谷・歯医者

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
治療中の写真です。根管治療後に最終的な被せ物を作成するため土台を作成し装着しました。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者

治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

治療後 | 市ヶ谷・歯医者
虫歯で欠けた部分を治療したあとに、ジルコニアクラウンを装着して審美性と噛み合わせを改善しました。

40代女性 歯の痛みや歯ぐきの炎症を根の中を清掃し消毒する「根管治療」で改善した症例[2024年05月15日]

患者 40代女性
主訴 「3日前から噛むと歯に激痛が走り、食べ物をしっかり噛めない」とご相談いただきました。
フランスから来日され、紹介で当院に来院された患者様です。
診断 拝見したところ、痛みが出ていたのは右上の歯(第1小臼歯/4番)で、レントゲン画像では痛みの原因となる症状は確認できませんでした。

歯に大きな問題がないのに痛みが生じている場合、噛む力が強すぎて上下の歯が過剰にぶつかり、歯の周りの組織に刺激が加わって炎症を起こしている可能性があります。
患者様の場合も噛み合わせが強かったため、まずは噛み合わせを正しく調整し、炎症を抑える薬を処方して経過を観察する必要があると診断しました。

行ったご提案・治療内容 診断結果を丁寧に説明したうえで噛み合わせを調整しましたが、痛みが引かなかったため2日後に再来院されました。

噛み合わせの調整だけでは痛みが取り除けなかったことから他に原因があると考えられ、レントゲンには映らない位置で歯が割れている可能性があること、その確認のためには歯を削って内部を調べる必要があることを説明したところ、検査に同意いただいています。

慎重に歯を削ると内部が大きく割れており、神経が炎症を起こしていました。この状態では治療してもすぐに再治療になる可能性が高く、抜歯の必要性を説明しましたが、患者様は歯を残すことを強く希望されました。

折れた歯には難易度が非常に高く、しっかり噛めるようになるかは確実ではないものの、歯を温存し痛みを解消させる方法として、神経を取り除き、歯の内部をきれいにしてから薬を詰める「根管治療」が可能です。

根管治療に使用する薬にはいくつか選択肢がありますが、今回はできるだけ歯を長持ちさせるために、殺菌効果が高く神経を取り除いた穴をしっかりと封鎖できる自費の「MTAセメント」が適していることも併せてお伝えしたところ、治療に同意いただきました。

まず部分麻酔をして根管治療を行い、痛みが引いたことを確認できてから、最終的な被せ物をしっかり支えられるよう歯に接着するタイプの土台を装着し、歯の強度を高めています。
後日、患者様のご希望に沿って自然な白さで強度もある「ジルコニア」の被せ物を装着しました。

また治療した歯が再度割れないよう噛み合わせの力を軽減するために、治療後はマウスピースをご使用いただいています。

治療期間 約1ヶ月
費用 242,000円
<内訳>
根管治療、被せ物治療
術後の経過・現在の様子 食事が快適にできるようになり、周りの歯になじんだ仕上がりになりました。

患者様からは「しっかり噛めるようになったことはもちろん、見た目もきれいになってうれしい」と大変お喜びいただきました。

治療から3ヶ月経過した現在も、痛みや違和感もなく経過は良好です。

治療のリスク ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・根管治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・根管治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・ジルコニアの装着に際し、天然歯を削る必要があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者 
 
 

治療前 | 市ヶ谷・歯医者

治療中

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
歯を削ったところ破折が確認できました。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
MTAセメントを歯の内部に詰めました。

治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者
周りの歯になじんだ被せ物が装着されています。

治療後 | 市ヶ谷・歯医者
術後のレントゲン写真です。

50代男性 抜歯部位にインプラントを埋めて噛み合わせを改善させた症例[2024年05月14日]

患者 50代男性
主訴 「被せ物が外れてしっかり噛めないので治療したい」とご相談いただきました。
診断 拝見したところ、右下の奥歯2本(第1大臼歯/6番、第2大臼歯/7番)に装着されていた被せ物が外れていました。
レントゲンを撮影して詳しく調べたところ、第1大臼歯は歯の根が割れ、第2大臼歯は虫歯が進行しています。

残念ながら2本とも残すことが難しく、このまま治療せず放置すると炎症が起こり、歯を支えている骨「歯槽骨」が溶けて隣の歯にも影響が出る可能性があるため、抜歯が必要と診断しました。

行ったご提案・治療内容 奥歯2本を抜歯したあとの治療方法として、抜歯部位の骨に人工歯根の「インプラント」を埋入し、噛み合わせを回復する治療を提案したところ、同意いただきました。

抜歯する際は、骨を再生させる「骨補填材」を抜歯後の穴に入れる「ソケットプリザベーション」を行いました。歯を抜くと歯槽骨が溶けて吸収されるため骨量が減りますが、ソケットプリザベーションを行うことで抜歯してそのまま治りを待つよりも骨量の減少を最小限に抑えることができます。

その後、CT撮影で骨量の確認やインプラントを埋入する位置のシミュレーションを行いました。
インプラントを埋め込む際は、通常のインプラントよりも長さが短い「ショートインプラント」を使用し、さらに骨量を増やす処置「骨造成」も実施しました。骨造成は最小限にとどめ、術後の痛みや腫れを抑えています。

インプラント埋入から3ヶ月後、インプラントと骨がしっかり定着したことを確認してから、白い被せ物を装着し、治療を終了しました。

治療期間 約6ヶ月
費用 900,000円
術後の経過・現在の様子 インプラントを埋め込んだ部分の痛みや違和感はなく、噛み合わせも問題ありません。

患者様からは「食べ物をしっかり噛めるようになってうれしい」と大変お喜びいただきました。

治療から6ヶ月経過した現在も、経過は良好です。

治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、被せ物が割れる可能性があります
・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います
・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります
・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります
・自費診療(保険適用外治療)です

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者
保存不可能な2本の歯です。

治療前 | 市ヶ谷・歯医者
被せ物が外れ、第1大臼歯は歯根が割れています。

治療中

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
抜歯後の写真です。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
抜歯後の写真です。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
抜歯後のCT写真です。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
CT写真でインプラントの埋入位置を確認しました。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
インプラント埋入から3ヶ月後の写真です。

治療中 | 市ヶ谷・歯医者
インプラント埋入から3ヶ月後の写真です。

治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者
歯の形も回復しています。

治療後 | 市ヶ谷・歯医者
術後のレントゲン写真です。

治療後 | 市ヶ谷・歯医者
術後の様子です。

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