患者 | 40代女性 |
---|---|
主訴 | 「前歯の見た目が悪いので、きちんと治したい」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、右上の前歯(中切歯)には被せ物が装着されていましたが、経年劣化により被せ物と歯茎の間に隙間や段差が生じてぴったりと合っておらず、歯根が露出している状態です。 また、隣接している右上の歯(側切歯)は欠損しており、右上中切歯と連結した被せ物で修復されていました。 このまま放置すると審美性に悪影響が出るだけでなく、段差部分などに磨き残しが増えることで歯と被せ物の隙間から細菌が侵入し、虫歯になるリスクが高まります。 以上のことから、神経の再治療は必要なく、被せ物の作り直しによって審美性や機能性の回復が可能であると診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 古い被せ物を除去したあとの修復方法として、自然な白さとフィット感が特徴の「オールセラミッククラウン」による治療を提案し、同意いただきました。
まず右上中切歯の形を整え、隣接する側切歯を含む前歯2本分の仮歯を装着します。この際、周囲の歯との調和を確認しつつ、色味を丁寧に調整しました。 |
治療期間 | 約2週間 |
費用 | 約300,000円 | 治療のリスク | ・セラミックの装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる場合があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です ・土台となる歯に負担がかかるため、将来的に歯が揺れたり、歯の根が割れたりする可能性があります |
治療前
治療中
治療後
患者 | 50代男性 |
---|---|
主訴 | 定期検診で通院中の患者様より「噛むと少し痛みがあるので診てほしい」とご相談いただきました。 |
診断 | レントゲン撮影で詳しく確認したところ、左下奥歯の歯根が割れており、再び噛める状態にまで回復させるには困難な状況でした。 奥歯はもともと噛む力が強くかかる部位で、患者様の場合、とくに噛む力が強かったことから過剰な負担がかかり、結果的に歯根が割れたと考えられます。 この状態を放置すると、十分に噛むことができないだけでなく、割れた歯根に細菌が溜まり炎症を引き起こす可能性があります。また、炎症が周囲の歯に悪影響を与え顎の骨が溶けるリスクも考えられました。 以上のことから、歯根が割れた歯を抜歯してしっかりと噛めるようにする治療が必要と診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 左下奥歯は温存が難しいため、抜歯が必要であることを説明し、抜歯後の隙間を補う方法として顎の骨にネジを埋め込んで噛めるようにする「インプラント治療」を提案しました。 患者様は以前、当院にてインプラント治療を受けており、治療のメリットやデメリットをご理解いただいたうえで、今回もインプラント治療を希望されています。 まず左下奥歯を抜き、歯茎の治癒を待ってからインプラント手術を実施しました。 インプラントが顎の骨に定着していることを確認したあと、被せ物の製作を行いました。 また治療後は、上下の歯が睡眠中に強く接触し負担がかかりすぎないよう、夜間に「マウスピース」を必ず着用することをお伝えし、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約4ヶ月 |
費用 | 約420,000円 | 治療のリスク | ・外科処置後に腫れ、出血が生じる場合があります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります |
治療前
治療中
治療後
患者 | 30代女性 |
---|---|
主訴 | 「奥歯で噛むと違和感があるので診てほしい」とご相談いただきました。 |
診断 | レントゲン撮影で詳しく拝見したところ、白い詰め物が装着されている右上奥歯に根の周りの炎症「慢性歯根膜炎(まんせいしこんまくえん)」が生じており、噛んだときに違和感が出ていました。
慢性歯根膜炎とは、歯の根元を覆っている「歯根膜」やあごの骨の一部に炎症を引き起こす病気です。 |
行ったご提案・治療内容 | 違和感を取り除くために、まず古い詰め物を外し、細菌感染した神経を取り除いてから薬を詰める「根管治療」が必要であることを説明し、治療に同意いただきました。 併せて、根管治療で用いる薬にはいくつかの選択肢がありますが、今回は殺菌効果が高く神経の穴をしっかりと封鎖できる「MTAセメント」が適していると説明し、こちらも了承いただいています。 まず詰め物を除去して根管治療を開始します。歯の内部を清掃したあとMTAセメントを詰めて経過を観察し、違和感が解消されたことを確認しました。 |
治療期間 | 約1ヶ月 |
費用 | 約240,000円 【内訳】 根管治療、詰め物治療 |
治療のリスク | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・根管治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・根管治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |
治療前
治療中
治療後
みなさん、こんにちは。海谷歯科医院海谷です。
今回はインプラント治療についてお話ししたいと思います。
インプラントとは、骨の中に、歯の代わりとなるチタン製のネジ(歯科用語ではフィクスチャー)を埋めてこれを支えに歯をつくる治療法です。
ということはまず、骨が溶けてなくなってしまっている患者さんは適応外ですが、昨今では骨をつくる治療法もありますので一概に不可能とはいえなくなってきました。
喫煙者も予後不良になりやすく、最近では喫煙をやめない限り治療をしない医院も多いと思います。
それよりもまず、全身疾患をお持ちの方、例えば糖尿病。
骨粗鬆症のかた、などは適応にはなっていません。
歯ももちろん大事ですが身体に何かあっては元も子もありませんから。
もし、持病をお持ちでも、治療をご希望であればかかりつけのお医者さんに一度ご相談なさってみてください。
また、もともと歯周病がひどい患者さんもあまりおすすめできません。
インプラントは、歯と違い歯根膜というバリアがありませんから、もし、歯周病に罹患してしまうとあっという間に進行し、インプラント自体が取れてしまいます。
強度は強いのですが、こういう脆い一面もあるのです。
なのでまず徹底的に歯周病をコントロールできない限り、長期間インプラントを維持することはできないと理解してください。
すぐに抜歯してインプラントにするというような医院はお勧めしません。
そんな単純な治療法ではないのできちんと今の状況を説明をしてもらい、理解し納得した上で治療をしてもらってください。
当院のホームページにいろいろな症例が出ていますので、またご覧になってください。