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3月, 2026年

50代女性 歯根の細菌感染が原因で生じた歯性上顎洞炎を精密根管治療で改善した症例[2026年03月30日]

患者 50代女性
主訴 「鼻から膿が出るので耳鼻科に行ったところ、歯が原因かもしれないと言われたのでこちらを受診した」とご相談いただきました。
診断 口腔内を拝見し、レントゲンとCT撮影による詳しい検査を行った結果、左上奥歯の歯根内に細菌感染が起きており、炎症が歯根の先から鼻の横にある空洞「上顎洞(じょうがくどう)」にまで広がっていることがわかりました。

これは、歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)と呼ばれる病気で、鼻づまりや鼻水、膿のにおいがするなどの症状があらわれることがあります。
この状態は、耳鼻科の治療だけでは十分な改善が難しく、原因となっている歯の感染を取り除くことが重要です。

また、このまま放置すると感染が周囲に広がり、炎症がさらに強くなったり歯を残すことが難しくなったりするリスクが高まります。

以上のことから、細菌に感染した部位を取り除き、歯の温存を目指す治療が必要だと診断しました。

行ったご提案・治療内容 歯性上顎洞炎を改善するためには、原因となっている歯根内部の細菌をできるだけ除去する必要があります。
また、患者様は「できるだけ歯を残して治したい」と希望されていたことから、精密根管治療を提案しました。

精密根管治療ではマイクロスコープ(歯科用高倍率顕微鏡)を使用し、肉眼では確認が難しい部分を拡大しながら治療を行います。これにより、複雑な根管内部や細かな感染部位まで確認できるため、より精密な処置が可能です。

一方で、根管の形態や感染の程度によっては治療が複数回に及ぶ場合があること、また根管治療を行っても上顎洞炎の改善がみられない場合には、外科的処置や抜歯を検討する必要があることもお伝えしています。

患者様には以上の内容をしっかりとご理解いただいたうえで、治療に同意いただきました。

まずは、左上奥歯に装着されていた既存の詰め物を取り外し、根管内部を確認します。
続いて、マイクロスコープを使用しながら専用の器具を用いて根管内の感染した組織を丁寧に除去し、消毒薬で根管内を十分に洗浄します。
感染が広範囲に及んでいたため、複数回にわたり洗浄と消毒を実施しました。

根管内部の洗浄と消毒が完了したら、根管の内部を密封する処置を行います。
今回は、歯とのなじみがよく、歯根の先や複雑な形の部分にも適応しやすいMTAという材料を使用しました。

最後にレントゲン撮影を行い、根管がしっかりと封鎖されていることを確認して、治療を終了しています。

治療期間 約5週間
費用 約120,000円
治療のリスク ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者

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治療中

治療中 | 市ヶ谷・歯医者

治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

60代女性 すり減った前歯をセラミックのラミネートベニアで修復した症例[2026年03月17日]

患者 60代女性
主訴 長年、当院に通院されている患者様から「前歯をきれいに治したい」とご相談いただきました。
診断 拝見したところ、下中央の前歯2本に長年の使用による色の変化やすり減り、小さな欠けが見られました。

すり減った部分は表面がざらつきやすくそこに着色が付きやすくなるため、患者様の場合も削れている部分が茶色く変色していました。

現時点では痛みや噛みにくさといった機能的な問題はなかったものの、このまま放置するとさらに歯がすり減り、将来的に痛みが出たり噛み合わせに影響が出たりする可能性も考えられます。
また患者様ご本人もお口を開けたときの見た目を気にされていたため、前歯の治療が必要と診断しました。

行ったご提案・治療内容 前歯の見た目を整えるため、以下2つの治療方法をお伝えしました。

①歯全体を白い被せ物で覆う治療
メリット:歯全体を覆うため強度が高く、歯の形を大きく調整することも可能
デメリット:被せ物を装着するために、歯をひと回り小さく削る必要がある

②歯の表面にセラミックの薄い板を貼り付けるラミネートベニア
メリット:歯の表面だけを整える方法のため、被せ物の治療に比べて歯を削る量を少なく抑えることができる
デメリット:被せ物に比べると強度には限界があり、強い力が加わると欠けたり外れたりする可能性がある

それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明したうえで、今回は歯を削る量をできるだけ抑えられる②のラミネートベニアを提案し、同意いただきました。

まずセラミックの薄い板を貼り付けるためのスペースを確保するため、前歯の表面をわずかに削る処置を行いました。
その後、歯の形を正確に再現するための型取りを行い、完成までの間は歯を保護する目的で仮歯を装着しています。
後日、完成したセラミックの薄い板を実際に歯に合わせ、色味や形、噛み合わせに問題がないかを確認したうえで歯科用の接着セメントを用いて歯の表面に貼り付け、治療を終了しました。

治療期間 約2週間
費用 約250,000円
治療のリスク ・非常に薄いセラミックのため、強度は弱くなります
・中の歯の色の影響を受けやすいため、変色が強い歯には適さない場合があります
・ご使用状況により、割れたり欠けたりする場合があります
・自費診療(保険適用外治療)です

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者

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治療中

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治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

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60代男性 歯根の炎症で腫れた歯ぐきを精密根管治療で回復し歯を温存した症例[2026年03月12日]

患者 60代男性
主訴 「右下の歯ぐきが腫れているのが気になる」とご相談いただきました。
診断 拝見したところ、右下奥歯の根元の歯ぐきに腫れが見られました。
原因を調べるためにレントゲン検査を行ったところ、歯の根の先に炎症が起きている様子が確認できました。
さらに詳しく調べた結果、歯根の壁に穴があくパーフォレーションが起きており、その穴から細菌が入り込んで歯根の周囲に感染と炎症が広がっていると考えられます。

パーフォレーションとは、歯の内部にある神経の通り道と歯の外側を隔てている壁に穴があいてしまう状態のことです。
虫歯の進行や過去の治療、強い噛み合わせなどが原因で生じ、穴があいた部分から細菌が侵入すると歯の周囲に膿がたまって歯ぐきの腫れや痛みを引き起こします。

このまま放置すると、炎症がさらに広がり歯を残すことが難しくなる可能性があることから、できるだけ早めに処置を行う必要があると診断しました。

行ったご提案・治療内容 治療方法としては、いくつかの選択肢があります。
①抜歯(歯を抜く治療)

メリット:炎症の原因となっている歯を取り除くことができる
デメリット:歯を失うため、その後にブリッジや入れ歯、インプラントなどで補う治療が必要になる

②精密な根管治療による保存治療
メリット:自身の歯を残せる可能性がある
デメリット:自費診療となること、治療後に一時的な痛みや違和感が出る場合がある

今回はできる限り歯を残すため、歯科用マイクロスコープを使用した精密な根管治療を提案しました。
拡大視野のもとで感染した組織を丁寧に取り除き、穴があいている部分はMTAセメントという材料で封鎖する方法です。
MTAセメントは歯の内部をしっかりと封鎖できる歯科用材料で、細菌の侵入を防ぐ目的で使用されます。

それぞれの治療方法について丁寧にお伝えしたところ、精密な根管治療に同意いただきました。

まず右下奥歯を削り、歯の内部にある感染した組織を取り除きます。
併せてマイクロスコープで拡大しながら、パーフォレーションの位置や状態も慎重に確認しました。
その後、穴があいている部分をMTAセメントでしっかりと封鎖し、治療を終了しました。

治療期間 約4週間
費用 約120,000円
治療のリスク ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者

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治療中

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治療後

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60代女性 欠けた奥歯を強度に優れたジルコニアのオンレーで修復した症例[2026年03月12日]

患者 60代女性
主訴 「奥歯の端が欠けてしまったので診てほしい」とご相談いただきました。
診断 拝見したところ、右下奥歯の一部が欠けている状態でした。
長期間にわたり噛む力が繰り返し加わったことで、奥歯に負担が蓄積して欠けてしまったと考えられます。

このまま放置すると、欠けた部分から細菌が侵入して虫歯が進行したり、ひびが広がって亀裂が深くなり、最終的には歯の温存が難しくなったりするおそれがあります。

以上のことから、歯を適切に保護し、これ以上ダメージが広がらないようにする治療が必要だと診断しました。

行ったご提案・治療内容 患者様は「周囲の歯になじむ自然な見た目で、長く安心して使える治療をしたい」と希望されていたため、通常の詰め物よりも広い範囲を覆う「オンレー」という修復方法を提案し、同意いただきました。

オンレーは、歯全体を覆う被せ物と比べると歯を削る量を抑えられるため、健康な歯をできるだけ残しながら、歯の強度を高めることが可能です。ただし、歯の状態によっては適応できない場合もあります。

まず、すでに装着されていた金属の詰め物を除去し、歯の状態を慎重に確認します。
その後、オンレーがしっかりと合うように歯の形を整え、精密な型取りを行いました。

次に、採取した歯型をもとにオンレーを作製します。
オンレーの素材には、セラミックの中でも強度が高く、奥歯の修復に適しているジルコニアを採用しました。ジルコニアは白い素材のため、見た目も自然に仕上がります。

最後に、完成したオンレーを専用の接着剤で装着し、見た目や噛み合わせに問題がないことを確認して、治療を終了しました。

患者様の上の歯の治療についてはこちら:https://dr-kaiya.com/blog/20260312-1/

治療期間 約2週間
費用 約130,000円
治療のリスク ・装着に際し、天然歯を削る場合があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です

治療前

治療前 | 市ヶ谷・歯医者

治療中

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治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

60代女性 割れた歯を抜かず審美性に優れたジルコニアの被せ物で修復した症例[2026年03月12日]

患者 60代女性
主訴 「痛みはないが、歯が欠けた」とご相談いただきました。
診断 レントゲン撮影をして詳しく拝見したところ、右上奥歯の頭部分「歯冠」が縦に割れる「歯冠の垂直破折」が確認できました。
割れ目が深い場合は、歯の温存が困難です。

今回の症例では、症状や割れ方に応じて治療方針を慎重に判断する必要があると診断しました。

行ったご提案・治療内容 患者様は「できるだけ歯を残したい」と強く希望されたため、抜歯せず温存する方法として、以下3つの工程による治療計画を提案しました。

1:細菌感染した神経を取り除いてから薬を詰める「根管治療」
メリット:感染部分を除去することで、歯を温存できる可能性が高まる
デメリット:治療が複数回になることがある。歯の強度がやや弱くなる場合がある

2:歯を長く使えるように土台をたてる「支台築造」
メリット:弱くなった歯を補強し、被せ物を安定して装着できるようになる
デメリット:歯の状態によっては、土台を立てても強度が十分に確保できない場合がある

3:被せ物による「補綴修復」
メリット:噛む機能と見た目を回復し、歯を長期的に保護できる
デメリット:素材によって費用がかかり、正確に適合させるための調整が必要になることがある

以上のメリットとデメリットを丁寧にお伝えし、治療に同意いただきました。
被せ物については、自費診療の白い素材「セラミック」の中でも、強度と審美性に優れた「ジルコニア」を選択しています。

まず、割れている部分をしっかりと確認し、必要な部分を除去してから根管治療を行います。
薬剤を歯根の先までしっかりと詰め、支台築造で土台を作製したあと、被せ物を作製しました。

最後に、完成した被せ物を装着し、噛み合わせや見た目に問題がないことを確認して、治療を終了しています。

なお、患者様の下の歯の治療についてはこちら:https://dr-kaiya.com/blog/20260312-2/

治療期間 約5週間
費用 約227,000円
治療のリスク ・装着に際し、天然歯を削る場合があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です
・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります

治療前

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治療中

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治療後

治療後 | 市ヶ谷・歯医者

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根管治療の失敗[2026年03月04日]

海谷歯科医院海谷です。
今日は根管治療の失敗について話したいと思います。
根管治療(こんかんちりょう)の失敗とは、治療がうまくいかず、問題が解決しなかった場合や再発した場合のことを指します。以下のような原因やケースが考えられます。

1. 感染の再発

根管治療は、歯の神経や血管が感染している場合に、その感染部分を取り除いて消毒する治療です。しかし、治療後に感染が再発することがあります。これには以下の原因が考えられます。

  • 根管の完全な除去ができていなかった
  • 根管内に細菌が残っていた
  • 根管をしっかりと密封しなかった

これらは治療をしっかりすれば防げる可能性が高いですが

  • 新たに外部から感染が入った

これはなかなか防ぐのは難しい。

2. 根管の形態が複雑

歯の根管は曲がっていたり、複雑な形をしていることがあり、これが治療を難しくします。根管をすべて清掃・消毒するのが難しいと、治療後も感染が残る可能性があります。

→ 術者のスキルに依存することが多い

3. 器具の破損

治療中に使用する器具(ファイルなど)が根管内で破損し、そのまま残ってしまう場合があり、これが感染源となることがあります。

4. 治療後の症状の持続

根管治療後に痛みや腫れが続く場合や新たな問題が発生した場合も、治療が失敗した可能性があります。これには治療前の診断ミスや治療計画の誤りが影響していることもあります。

5. 再治療の必要性

根管治療後に再度治療を行う場合、既存の治療が完全ではなかったために再治療が必要となります。再治療の難易度が高くなることもあります。
できる限り再介入はしないようにきちっとした治療を行うことが重要である。

6. 治療後の歯の状態の悪化

根管治療後、歯にクラウンや充填物が適切に取り付けられなかった場合、その歯が割れる、または破損することがあるため補綴物も患者一人一人の状態を考慮し決定する必要がある。

根管治療の成功率は高いですが、これらの問題が起きることもあります。失敗のリスクを減らすためには、治療前の診断と治療後の経過観察が重要です。

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