患者 | 40代女性 |
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主訴 | 以前から当院にご通院いただいている患者様から、定期検診時に「歯ぐきが腫れてきた」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、15年以上前に被せ物治療を行った右上の奥歯(第2小臼歯/5番)の歯ぐきに炎症が認められました。 レントゲン撮影や、歯ぐきの検査「プロービング」による診査の結果、歯の根が割れている「歯根破折(しこんはせつ)」が疑われました。 被せ物を外して中を確認したところ、予想した通り歯根破折が生じており、治療して歯を残すことは不可能であると診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 当該歯を温存するのは難しいことをお伝えし、抜歯してから歯を補う治療をご提案しました。
抜歯した部位を回復する方法には、取り外し式の「入れ歯」、両隣りの歯を削って橋渡しのように歯を補う「ブリッジ」、そして人工歯根をあごの骨に埋めて歯を装着する「インプラント治療」の3つの選択肢があります。 患者様は「インプラント治療に伴う外科処置をなるべく少なくしたい」とご希望されたため、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時インプラント治療」を行いました。 4ヶ月後、インプラントがあごの骨にしっかり定着したことを確認してから、インプラントの頭を歯ぐきの上に出す「二次手術」を行いました。 |
治療期間 | 約4ヶ月 |
費用 | 495,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 周りの歯に馴染んだ仕上がりになり、噛み合わせも回復しました。 術後3ヶ月の経過観察時にも良好な状態を維持しており、患者様にも「まるで自分の歯のように食事ができる」と大変ご満足いただきました。 インプラント部位を長くご使用いただけるよう、今後も定期的なメンテナンスでご通院いただく予定です。 |
治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・あまりに強い力がかかると被せ物が割れる場合があります |
治療前
被せ物を除去したところ、歯根破折を認めました。
治療中
抜歯即時埋入の様子です。
採取した結合組織です。
インプラント埋入部位を採取した結合組織で覆いました。
術後1ヶ月の様子です。
術後4ヶ月で二次手術を行いました。
治療後
歯の形も回復し、しっかりと噛めています。
歯周病。我々歯科医師にとって虫歯と同じく日々遭遇する疾患です。
歯周病のタチが悪いのは完治することが非常に難しいということです。
虫歯の場合は、きちんと虫歯を取り除き、隙間のない詰め物をしてあげれば基本的には完治させることができます。
それに引き換え歯周病に罹患し骨吸収を起こした場合、完全に元に戻すことは、かなり難しい手技になります。
また、ある程度骨量を回復できたとしても、この状態を維持させるのはこれもまた患者さん自身もしっかり努力が必要となります。
なので歯周病に罹患しないことが一番なのです。
しかしながら、なぜ歯周病に罹患する人が多いのでしょうか?
それは虫歯と違い、初期から中程度の状態の時は全く痛みを伴わないため、自覚症状がありません。これが最も厄介なところなのです。
患者さんは歯が動き始めたり、噛むと痛い症状が出て初めて歯科医院に行き、気づくことがほとんどです。
しかしこの状態になった時は時すでに遅いのです。
ここから戻していくのはかなりの治療費、期間、努力が必要です。
では、どうすれば予防できるのか?
これは一択です。クリーニングです。
家でのブラッシング、歯科医院での定期クリーニングさえきちんとしていただければ、歯周病は予防できるのです。
とにかく意識を変えていただき、虫歯治療より予防の方が数段大切であるということを頭に入れてください。そしてきちんと定期検診を受けてください。
そうすれば、一生自分の歯で健康に暮らしていけるとお約束します。
患者 | 50代女性 |
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主訴 | 「歯がない部分を治療したい。左上の奥歯が痛いのも診てほしい」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、患者様は左上の奥歯(第1大臼歯/6番)が欠損しており、十分に噛めなくなっていました。 その手前の歯(第2小臼歯/5番)には、根が割れている「歯根破折(しこんはせつ)」が認められ、治療して残すことは難しい状態でした。 また、左上の一番奥には親知らず(第3大臼歯/8番)が残っていました。 患者様は「歯を失った部分はインプラント治療を行いたい。また、歯並びの見た目や噛み合わせも良くしたい」とご希望でした。 |
行ったご提案・治療内容 | 根が割れた歯を抜いてから、2本分の奥歯が欠損した隙間をワイヤー矯正の「マルチブラケット装置」で1本分のスペースに調整し、人工歯根を用いた「インプラント治療」で歯を補う方法をご提案しました。
矯正治療を行い、左上欠損部位の奥の歯(第2大臼歯/7番)と親知らずを手前に移動することで、埋入するインプラントの本数を2本から1本に減らすことが可能になり、天然歯を最大限利用した治療ができることをご説明しました。 |
治療期間 | 約3年 |
費用 | 約2,500,000円 (矯正治療、インプラント治療、審美治療) |
術後の経過・現在の様子 | インプラント部位を含めた全ての歯がきれいに並び、しっかり噛めるようになりました。 患者様にも「違和感なく食事ができる。歯並びも同時に治療できて嬉しい」と大変お喜びいただきました。 現在はインプラント治療から2年が経過し、歯並びの後戻りを防ぐための「リテーナー」をご使用いただきながら、定期的なメンテナンスでご通院いただいております。 |
治療のリスク | ・治療中、発音しにくい場合があります ・治療中、舌が動かしにくいことがあります ・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります ・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります ・リテーナーの使用を怠ると歯の後戻りを起こす場合があります |
治療前
治療前のレントゲン画像です。
矯正治療のシミュレーションです。
治療中
矯正開始時の口腔内写真です。
矯正終了時の口腔内写真です。
左上奥歯のインプラント予定部位です。
左上奥歯のインプラント手術時の写真です。
治療後
インプラント治療終了時の口腔内写真です。
治療後のレントゲン画像です。歯の本数を減らすことなく、最終的な目的が達成できました。
患者 | 50代女性 |
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主訴 | 「インプラント周りの歯肉が痛い」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見すると、右上の前歯(中切歯/1番)に人工歯根の「インプラント」が入っていました。 インプラントの手術と被せ物「上部構造」を入れたのは3年前で、当時と比べると周りの歯肉が減っていました。 デジタル3Dスキャナー「CT撮影」を行った結果、インプラントや周囲の骨に問題はなく、歯肉を支えている周りの組織「結合組織」が炎症を起こしている「インプラント周囲炎」でした。 |
行ったご提案・治療内容 | 減ってしまった歯肉を増やし歯の周りの組織の再生を促す「結合組織移植」と、上部構造を新しくすることをご提案し、ご承諾いただきました。
まず、上部構造を外し、上顎の裏側「口蓋(こうがい)」から切除した歯肉を減ってしまった部分に移植しました。 歯肉が落ち着くと、以前と比べて位置や厚さが変わったので、それに合わせて上部構造を新しく作り直しました。 |
治療期間 | 約4ヶ月 |
費用 | 275,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 減っていた歯肉が増えて厚みが増えたため、炎症が起きにくくなり、痛みがなくなりました。
患者様からは「歯肉の痛みがなくなってよかった。これから見た目がよくなるのが楽しみ」とお喜びいただけました。 6ヶ月経過した現在、歯肉の状態は良好です。 |
治療のリスク | ・持病をお持ちの方や、服用中のお薬の種類によっては、外科処置ができない場合があります ・外科処置後に腫れ、出血が生じる場合があります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します ・外科処置後のメンテナンスを怠ると、良好な結果が得られない可能性があります ・被せ物が外れる可能性があります |
治療前
インプラントは既存の骨の中に位置していることが確認できます。
インプラントは既存の骨の中に位置していることが確認できます。
歯肉の厚みが足りない部位です。
治療中
口蓋から採取した歯肉です。
歯肉の厚みが足りない部位に対して口蓋より歯肉を採取して、患部に移植を行いました。
1本の糸で深い所と浅い所を垂直的に縫う「懸垂縫合(けんすいほうごう)」により固定しました。
歯肉のボリュームが増えていることが確認できます。
歯肉のボリュームが増えていることが確認できます。
治療後
歯肉の位置が変わったため、古い被せ物だと適合が悪いです。
歯肉の位置が変わり、厚みも増えています。
適合の良いジルコニアの被せ物が装着されています。
患者 | 40代女性 |
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主訴 | 「他院にて治療を終了したが、長い間歯茎の腫れが引かない。噛むと痛い」とご相談いただきました。
ご紹介により来院された患者様です。 |
診断 | 拝見したところ、左下の奥歯(第1大臼歯/6番)は歯茎が赤く腫れていました。 レントゲン写真で確認すると、根の周囲に黒い影「透過像(とうかぞう)」があり、細菌感染を起こし膿がたまる「歯根膜炎(しこんまくえん)」になっていることがわかりました。 この状態を放置していると、根の周りの組織にも感染が広がり、根の中の治療「根管治療」だけでは治らない恐れがありました。 |
行ったご提案・治療内容 | たまった膿を除去するために、古い被せ物を外してから根管治療を行い、殺菌作用が高い「MTAセメント」 を詰める治療をご提案しました。 MTAセメントを用いた治療は自費になりますが、封鎖性が高いので再び感染するリスクが下げられることをご説明し、ご了承いただきました。 根管治療が終了した後は、土台の形を整え被せ物の型取りを行い、周りの歯との色合いを何度か調整し自然な見た目の被せ物を装着しました。 |
治療期間 | 約2ヶ月 |
費用 | 根管治療 132,000円 被せ物 132,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 歯茎の腫れは完全に引き、痛みもなくなりました。 患者様にも「腫れや痛みがなくなり、見た目も自然になって嬉しい」と大変喜んでいただきました。 術後6ヶ月経った現在も、再発することなく良好な状態を維持しています。 |
治療のリスク | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です |
治療前
治療中
他院での根管治療後に、再び細菌感染し膿がたまっており、歯を支えている顎の骨「歯槽骨」が溶け、透過像が認められました
根管内にMTAセメントを詰めました
治療後
自然な見た目に改善されました
患者 | 50代男性 |
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主訴 | 「差し歯が取れた」とご来院されました。 患者様は「この差し歯は、繰り返し外れてはつけ直してもらっていた」とおっしゃっていました。 |
診断 | 拝見したところ、右上前歯(側切歯/2番)の差し歯が外れて、歯根が見えていました。 被せ物は、歯茎の上「歯肉縁上」に出ている歯質「フェルール」を抱え込むことで、差し歯が外れたり歯根が折れたりする力に抵抗することができます。 右上前歯はフェルールが足りない状態であり、差し歯の維持が困難で、脱離を繰り返していると診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | このまま外れた差し歯を付けなおしても、再度外れてしまう可能性が高いため、フェルールをしっかり確保する必要がありました。 フェルールを確保するために、歯根を矯正的に引っ張りだす「エクストルージョン(歯根挺出術)」をご提案しました。 まず、右上前歯にフックを装着し、両隣の歯の裏側にワイヤーを固定し、矯正用のゴムをかけ引っ張り上げる力を加えました。 |
治療期間 | 約4ヶ月 |
費用 | 約182,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 治療後6ヶ月が経ちましたが、脱離はありません。 噛み合わせの違和感や痛みもなく、順調に経過しています。 患者様には「差し歯が取れないようにしっかり考えて治療してくれて、感謝している」と大変満足いただけました。 現在は、定期検診にて経過の確認をしています。 |
治療のリスク | ・被せ物が割れる可能性があります。 ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります。 ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、被せ物が割れる可能性があります。 ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です。 |
治療前
治療中
エクストルージョン(歯根挺出術)で約3mmほどフェルールが確認できました。
適切なフェルールが確保されました。
治療後
歯の形態も回復しました。
原状回復されました。
よく患者さんからインプラントは体に悪いのではないか? 何かしらの影響があるのでは?
という質問をいただきます。結論から言いますとほとんどの患者さんには適応できると思っています。
ほとんどですから全ての患者さんではありません。後ほど不適応の患者さんについてはご説明します。
まずインプラントは数十年前にはチタン以外のもの(今でもジルコニアインプラントはあります)がありましたが、最近は純チタンかチタン合金のものになります。
チタンは整形外科で骨折の固定にも使用されるものなので、身体に対しては安全なもの (生体親和性が良い)とされています。 当院においても何か為害(いがい)作用が出たことはありません。
ただ金属アレルギーの患者さんには使用できません。
金属にもいろいろなものがありますので一概に禁忌とは言えませんが、チタンにアレルギーがある患者さんにはもちろん禁忌となります。
ですからまず金属アレルギーをお持ちの患者さんは、何に対してアレルギーがあるのかということをきちんと調べてみてください。
それによって対処方法が変わってきますので。
最後にインプラントを入れたらMRIが取れないのではないか?
と良く聞かれますが全く心配いりませんのでご安心下さい。
患者 | 60代女性 |
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主訴 | 「抜歯した部分にインプラントを入れて欲しい」とご相談いただきました。 |
診断 | 患者様は右下の奥歯(第2小臼歯/5番)がもともと欠損しており、両隣の歯を削って橋渡しのように歯を補う「ブリッジ」で治療していました。 しかし、ブリッジを支えている奥歯(第1大臼歯/6番)の状態が悪くなり、ブリッジを除去して抜歯を行ったため、2本分の歯を補う治療が必要でした。 患者様は、人工の土台をあごの骨に埋め、その上に歯を装着する「インプラント治療」をご希望でした。 |
行ったご提案・治療内容 | 抜歯後の骨の治癒を待って再度検査を行い、あごの骨の量が足りない場合は骨を増やす処置「GBR」を行ってからインプラントを埋入することをご提案しました。 インプラントを支えるためには十分な量の骨が必要であること、骨がしっかり再生したタイミングで治療方針を決める必要があることをご説明し、同意いただきました。 まず、抜歯後8ヶ月間待機してからあごの骨の状態を確認したところ、唇側の骨の厚みが足りない状態でした。 手術から4ヶ月後、あごの骨が再生してインプラントがしっかり定着したことを確認してから、インプラントの頭を歯ぐきの上に出す「2次手術」を行いました。 2次手術の傷が治るのを待ってから最終的な被せ物を作製し、インプラントの上に装着しました。 |
治療期間 | 約1年 |
費用 | 約850,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 適切な位置にインプラントが入り、歯の形や噛み合わせも回復しました。 治療終了から6ヶ月が経過し、痛みなども無く良好です。 患者様にも「自分の歯のように違和感なくしっかり噛める。見た目も自然で嬉しい」と大変お喜びいただきました。 インプラントを長くお使いいただけるよう、現在も定期的なメンテナンスでご通院いただいています。 |
治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・自費診療(保険適用外治療)です ・あまりに強い力がかかると、被せ物が欠けることがあります |
治療前
術前のCT画像では、唇側の骨の不足が認められます。
治療中
抜歯後8ヶ月でインプラントを埋める手術を行いました。
インプラントの手術と同時に、自家骨とサイトランスによるGBRを行いました。
手術から1週間後の様子です。
型取り前のレントゲン写真です。
治療後
歯の形も回復しています。
手術後のレントゲン写真です。
インプラントが適切な位置に配置されています。
患者 | 70代男性 |
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主訴 | 「右で噛みづらい」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見すると、右下の奥歯(第1大臼歯/6番)は、強い噛み合わせの影響で歯が欠ける「チッピング」が起き、形が大きく変わっていました。
このままの状態を放置すると、奥歯でしっかり噛めないことにより胃腸に負担がかかるおそれがありました。 |
行ったご提案・治療内容 | しっかり噛めるようにするためには、大きな力がかかる奥歯にも適した、強度があり欠けづらい「ジルコニア」での修復治療をご提案し、ご選択いただきました。 まず、右下の奥歯(第1大臼歯)は欠けている範囲が大きいので、歯全体を覆う被せ物を作製するための土台の形を整えました。 その後、丁寧に型取りを行い、ジルコニアの被せ物を装着しました。 |
治療期間 | 約2週間 |
費用 | 132,000円 |
術後の経過・現在の様子 | ぴったりフィットした被せ物が入り、しっかり噛めるようになりました。 また、冷たいものでしみたり痛みを感じることもありません。 患者様にも「左右バランスよく噛めるようになって嬉しい」と大変喜んでいただきました。 3ヶ月が経過した現在も、割れたり欠けたりすることなくご使用いただいており、定期検診で経過を観察しています。 |
治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、被せ物が割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |
治療前
歯が欠けています。
歯が欠けています。
歯の神経に炎症は見られませんでした。
治療中
歯全体を覆う被せ物を作るため、土台の形を整えました。
治療後
ぴったりフィットしたジルコニアの被せ物が装着されています。
治療後は歯の形も周りになじんでいます。
ぴったりフィットしたジルコニアの被せ物が装着されています。
患者 | 50代女性 |
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主訴 | 「抜歯と言われた歯を治したい」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、右下の奥歯(第1大臼歯/6番)の歯茎は、膿が溜まって腫れる「フィステル」が見られました。 レントゲン写真を確認すると、右下奥歯の根の周りに黒く透けている「透過像」があり、炎症を起こしている状態が確認されました。 またフィステルがある歯の根っこの分かれ目「分岐部」付近には違和感もあったため、根が折れている「歯根破折」の可能性がありました。 破折の確認をするために、被せ物を外し精査したところ、神経の部屋の床の部分「髄床底」付近に穴が開いている「パーフォレーション(穿孔)」が見られました。 患者様は「長年歯茎が腫れていて、何件か診察に行ったが抜歯と診断された」とおっしゃっていました。 |
行ったご提案・治療内容 | パーフォレーション部分を、歯に含まれるカルシウム系の成分と同じものでできている歯科用セメント「MTAセメント」で閉鎖することで、フィステルが消失する可能性があることをご説明し、治療への同意をいただきました。
細菌の発生や繁殖が起こらないよう、細心の注意を払いパーフォレーション部分をMTAセメントで緊密に封鎖しました。 封鎖後2週間でフィステルが出現したため、分岐部に溜まった膿を掻き出す「分岐部掻爬(ぶんきぶそうは)」を行いました。 1ヶ月後、歯茎の回復が確認できたため、白くて自然な見た目の被せ物「ジルコニアクラウン」を装着しました。 |
治療期間 | 約3ヶ月 |
費用 | 根管治療 50,000円 ジルコニアクラウン 120,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 術後6ヶ月が経ちましたが、痛みや腫れはなく経過は順調です。 患者様には「長年の腫れがなくなり、今は問題なく過ごせている。歯を残すことができて良かった」と大変喜んでいただけました。 現在は、定期的にメンテナンスにてご来院されています。 |
治療のリスク | 被せ物が割れることがあります。 |
治療前
根の先「根尖部」には、透過像はないように思われました。
治療中
炎症像が見られました。
被せ物除去後、出血を認めました。
止血後に消毒を行い、MTAによる封鎖を行いました。
被せ物除去後、出血を認めました。
止血後に消毒を行い、MTAによる封鎖を行いました。
被せ物除去後、出血を認めました。
止血後に消毒を行い、MTAによる封鎖を行いました。
封鎖後2週間でフィステルが出現したため分岐部掻爬を行いました。
術後フィステルは消失しましたが、歯茎の退縮が起こりました。
封鎖後2週間でフィステルが出現したため分岐部掻爬を行いました。
術後フィステルは消失しましたが、歯茎の退縮が起こりました。
歯肉を回復させるため、分岐部にサイトランストとフィブロガイドを使用し、歯肉の縫合を行いました。
歯肉を回復させるため、分岐部にサイトランストとフィブロガイドを使用し、歯肉の縫合を行いました。
術後1ヶ月、歯茎が回復しているのが確認できました。
術後1ヶ月、歯茎が回復しているのが確認できました。
治療後
適合の良いジルコニアクラウンを装着しました。