当院の患者様は治療後も予防や健康的な歯を維持するためメインテナンスに通われています。
当院の予防歯科についてご覧くださいませ。
患者 | 60代男性 |
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主訴 | 「前歯の見た目が悪くて、歯を見せて笑えない。なんとかきれいにしてほしい」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、下の前歯5本(右側切歯/2番~左犬歯/3番)の根元には歯科用のプラスチック「コンポジットレジン」が装着されており、レジン部分が茶色く目立っていました。これは経年劣化によるレジンの変色や、段差部分への着色が原因です。
さらに下の前歯は歯ぐきが下がる「歯肉退縮」が見られ、特に左右の犬歯は退縮量が著しく歯の根が大幅に露出していました。右下の犬歯に装着されているような被せ物やレジンのふちには汚れが溜まりやすく、歯ぐきが炎症を起こす「歯周病」が誘発されたことが原因と考えられます。 このままの状態だと見た目の問題だけではなく、歯がしみたり露出した歯根が虫歯になったり、歯周病が悪化するといった可能性があるため、レジンや被せ物を一度除去した上で審美性を回復させる治療が必要と診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 審美性を回復する方法として、5本の前歯の根元はコンポジットレジンを詰め直すか、セラミック製の薄い板を歯の表面に貼り付ける「ラミネートべニア」、もしくは歯を全周削って被せる「クラウン」による治療があるとお伝えしました。
患者様は「コンポジットレジンは変色するので、それ以外の方法で治したい」と希望されたため、歯をあまり削らず治療できるラミネートべニアをおすすめし、同意いただきました。 まず歯肉退縮で大幅に下がった歯ぐきの位置を改善するため、上あごの歯ぐきを一部採取して退縮部位に移植することで歯ぐきの量を増やす処置「結合組織移植」を行います。 完成したラミネートべニアとオールセラミッククラウンを一度口腔内に取り付けて、色や形、噛み合わせなどを確認してから最終的にしっかり装着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1ヶ月 |
費用 | 約740,000円 (結合組織移植代含む) |
術後の経過・現在の様子 | ラミネートべニアとオールセラミッククラウンを装着した歯は、周りとなじみ自然な仕上がりになりました。
患者様からは「見た目がきれいになったので、歯を見せて笑えるようになった」と大変お喜びいただきました。 治療から6ヶ月経過した現在も、冷たいものがしみたり痛みを感じたりする症状「冷水痛」もなく経過は良好です。 |
治療のリスク | ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・ラミネートべニアは非常に薄いセラミックのため、強度は弱くなります ・中の歯の色の影響を受けやすいため、変色が強い歯には適さない場合があります ・持病をお持ちの方や、服用中のお薬の種類によっては、結合組織移植ができない場合があります ・結合組織移植後に腫れ、出血が生じる場合があります ・結合組織移植後のメンテナンスを怠ると、良好な結果が得られない可能性があります |
治療前
治療中
歯ぐきが退縮した部分に結合組織移植を行いました。
ラミネートべニアとオールセラミッククラウンを装着するために、歯や土台を削って整えた状態です。
ラミネートべニアとオールセラミッククラウンを製作しました。
治療後
歯の形態が回復し、審美性が改善されました。
治療前との見た目の違いが一目瞭然です。