みなさんこんにちは。海谷歯科医院海谷です。
歯ぎしりについてお話ししたいと思います。
歯ぎしり(ブラキシズム)は、ご自身では気づきにくいことも多く、歯や顎に大きな負担をかけてしまうため、早めの対策が大切です。
歯ぎしりの対策は、「歯科医院での治療」と「ご自身でできるセルフケア」の2つに分けられます。
まず、最も重要なのは歯科医院を受診することです。歯ぎしりの原因や程度は人によって異なり、ご自身に合った対策を判断してもらう必要があります。
歯科医師が診断した上で、以下のような治療や対策を行います。
これが最も一般的で効果的な対策です。夜間、睡眠中に装着する透明なプラスチック製の装置です。歯ぎしりによる強い力から歯がすり減るのを防ぎ、顎の関節や筋肉への負担を軽減します。保険適用で作成できる場合が多いです。
噛み合わせが悪いことが歯ぎしりの一因となっている場合、詰め物や被せ物を調整したり、場合によっては矯正治療を行ったりして、噛み合わせを整えます。
日中に無意識に上下の歯を接触させている癖(TCH)が、夜間の歯ぎしりを誘発していることがあります。 「唇は閉じ、歯は離す」ことを意識するよう指導(認知行動療法)を受けます。
稀ですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが歯ぎしりの原因となっている場合もあります。その場合は、医科と連携して原因疾患の治療を行います。
歯科医院での治療と並行して、ご自身でできる対策も非常に重要です。
歯ぎしりの最大の原因の一つはストレスと言われています。
日中、仕事や家事に集中している時などに、無意識に歯を食いしばっていないかチェックしましょう。 「歯を離す」「リラックス」と書いた付箋をPCのモニターや目につく場所に貼り、気づいたら力を抜くようにします。
こめかみや、耳の下(「いー」と噛み締めた時に盛り上がる部分=咬筋)を、指の腹で優しく円を描くようにマッサージすると、筋肉の緊張がほぐれます。 また、蒸しタオルなどで顎周りを温めるのも効果的です。
歯ぎしりは放置すると、歯が割れたり、知覚過敏になったり、顎関節症を引き起こしたりする可能性があります。 まずは一度歯科医院を受診し、ご自身の歯や顎の状態をチェックしてもらい、適切な対策を相談することをお勧めします。

| 患者 | 60代女性 |
|---|---|
| 主訴 | 「噛むと違和感があり、痛みもある」とご相談いただきました。 |
| 診断 | レントゲン撮影をして詳しく拝見したところ、左下奥歯に慢性歯根膜炎が認められました。 慢性歯根膜炎とは、歯の神経が通っている根管から歯根を覆う歯根膜が細菌感染して、炎症が起きる病気です。 このまま放置すると細菌感染がさらに進行し、歯根周囲の骨が破壊されて最終的には歯を失うおそれがあるため、早急に治療をする必要があると診断しました。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 患者様は「この機会に完治させたい」と希望されたため、根管治療を施したあと、歯全体をすっぽりと覆う被せ物で噛み合わせを回復する治療方法を提案しました。
根管治療とは、細菌感染した神経を除去して根管を洗浄・消毒し、薬を詰める治療方法です。 また根管治療後の被せ物には、ジルコニアクラウンを選択しています。 メリット:自然な白さが再現できる。人工ダイヤモンドと呼ばれるほど高い強度と耐久性をもつため、奥歯のような強い力がかかる場所に適している まずは左下奥歯に根管治療を行い、MTAセメントを用いて根の先端まで隙間なく封鎖します。 後日、完成したジルコニアクラウンを装着し、歯にぴったりと合っているか、噛み合わせに問題がないかを十分に確認して、治療を終了しています。 |
| 治療期間 | 約1ヶ月 |
| 費用 | 約260,000円 (根管治療、上部構造) |
治療のリスク | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |
治療前


治療中

治療後


| 患者 | 60代男性 |
|---|---|
| 主訴 | 「歯が抜けているところをインプラントで治したい」とご相談いただきました。 |
| 診断 | 拝見したところ、左下奥歯(第1大臼歯)が抜けており、見た目が気になるだけでなく奥歯でしっかりと噛むことが難しくなっていました。 このまま放置すると食事の際に支障が出たり、噛み合わせのバランスが崩れて残っているほかの歯に影響を及ぼしたりする可能性があります。 以上のことから、抜けた歯を補い見た目と噛む機能を回復させる治療が必要と診断しました。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 患者様はあごの骨に人工歯根を埋め、その上に人工歯を装着するインプラント治療を希望されています。 インプラント治療は自分の歯のような自然な見た目と噛み心地が期待できる一方で、自費診療のため費用が高くなることや外科処置を伴うため身体的負担がかかること、治療期間が比較的長くなる点がデメリットです。 また、安定したインプラント治療を行うためにはインプラントを支えられるあごの骨が残っているか、インプラントの上に人工歯を取り付けた際に噛み合わせの歯が邪魔をしないかなどを確認する必要があります。 その結果、十分な骨の量があり、噛み合わせの歯もインプラントを入れた際に自然に噛める位置に生えていたため、インプラント治療を行う条件は問題ないと判断しました。 【治療手順】 最後に見た目や噛み合わせに問題がないことを確認し、治療を終了しました。 |
| 治療期間 | 約4ヶ月 |
| 費用 | 約420,000円 | 治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・自費診療(保険適用外治療)です |
治療前


治療中



治療後



市ヶ谷の歯医者、海谷歯科医院です。
11月は暦通りのお休みとなります。
ご予約ご来院の際にはご確認下さい。
何卒よろしくお願い致します。
| 患者 | 70代女性 |
|---|---|
| 主訴 | 「前歯の見た目が気になるので、きれいに治したい」とご相談いただきました。 |
| 診断 | 拝見したところ、上前歯には保険診療の白いプラスチック素材「コンポジットレジン」を用いた詰め物の治療がされていましたが、経年劣化により一部が変色し、歯との間に隙間が生じている状態です。
このまま放置すると、隙間から汚れが入って虫歯を発症するリスクが高まるため、詰め物を作り直す必要があると診断しました。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 患者様は長年当院に通院されており、詰め物が外れたり割れたりするたびに、一部を修復する処置である「補修」を受けていました。
しかし、今回は根本的に前歯の審美性を改善したいと希望されたため、セラミックの薄い板を貼り付ける「ラミネートベニア」による修復を提案し、同意いただきました。 メリット:歯を削る量が少なく、短期間で治療が終わる まずは、前歯に装着されていたコンポジットレジンを外します。 最後に、見た目や使用感に問題がないことをしっかりと確認して、治療を終了しています。 |
| 治療期間 | 約4週間 |
| 費用 | 約330,000円 | 治療のリスク | ・非常に薄いセラミックのため、強度は弱くなります ・中の歯の色の影響を受けやすいため、変色が強い歯には適さない場合があります ・ご使用状況により、割れたり欠けたりする場合があります ・自費診療(保険適用外治療)です |
治療前



治療中

治療後



| 患者 | 30代女性 |
|---|---|
| 主訴 | 「歯が取れてしまった。また、下の歯は噛むと痛みがある」と、定期健診で通院中の患者様よりご相談いただきました。 |
| 診断 | 拝見したところ、左上奥歯(第1小臼歯)は歯の上の部分である歯冠が折れ、歯根のみ残っている状態でした。 また、左下奥歯(第2小臼歯)には被せ物が装着されています。 レントゲン撮影をして痛みの原因を詳しく検査したところ、左上下奥歯の歯根が割れており、その影響で痛みが出ていると考えられました。 歯根が割れた歯は温存が難しく、このまま放置すると炎症が広がって周囲の歯に悪影響を及ぼすおそれがあるため、抜歯せざるを得ない場合があります。 以上のことから、温存が難しいと判明している左上奥歯は抜き、左下奥歯は被せ物を取り外して内部を確認したうえで、適切な処置を行うことが望ましいと診断しました。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 診断結果をお伝えし、患者様の了承を得たうえで左下奥歯の被せ物を外したところ、レントゲン検査での診断どおり、歯根が割れていることが確認できました。 そのため、患者様には左上下奥歯とも温存が難しい旨を説明し、抜歯に同意いただきました。 患者様は、以前当院で人工歯根を顎の骨に埋入して歯を装着するインプラント治療を受けていたため、今回も左上下奥歯ともインプラント治療を希望されています。 メリット デメリット 改めてメリットとデメリットをしっかりお伝えしたところ、インプラント治療に対する不安はないとのことで、治療に同意いただきました。 まず、左上下奥歯を慎重に抜きます。 インプラント手術後は経過観察を行い、インプラントが顎の骨に結合したことを確認したら、インプラント上部に取り付ける人工歯を作製するために精密な型取りを実施します。 後日、完成した人工歯をインプラントに装着し、使用感や見た目に問題がないことを確認して、治療を終了しました。 |
| 治療期間 | 約4ヶ月 |
| 費用 | 約840,000円 | 治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります |
治療前





治療中







治療後




