みなさんこんにちは。海谷歯科医院海谷です。MTAセメントというものをご存知でしょうか?
MTAセメントは、ケイ酸カルシウムを主成分とする歯科用のセメントです。正式名称はMineral Trioxide Aggregateといい、その頭文字をとってMTAと呼ばれています。
もともとは建築用のポルトランドセメントと類似した成分ですが、歯科治療に使えるよう、有害な成分を取り除き精製されたものです。水分と反応して硬化する性質(水硬性)を持ち、特に歯の神経(歯髄)を守る治療や、複雑な歯の根の治療において画期的な材料として注目されています。
MTAセメントには、従来の材料にはない優れた特徴が多くあります。
これらの優れた特性を活かし、MTAセメントは主に以下のような精密な治療に用いられます。
メリットは非常に多いため当院においてはこの材料しか使用しておりません。
ただ多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。
総じて、MTAセメントは、「従来の方法では神経を抜かなければならなかった歯」や「抜歯しか選択肢がなかった」を救うことができる画期的な材料と言えます。ただし、全ての症例に使えるわけではなく、自由診療となるため、治療を受ける際は医師の説明をよく聞いてください。
患者 | 40代女性 |
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主訴 | 「歯間部分が欠けてしまった」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、左下の一番奥の歯には歯の一部を覆う白い詰め物であるセラミックインレーが装着されていましたが、日常的に力が加わったことで、右上奥歯と接触する部分のセラミックが欠けていました。
このまま放置すると、欠けた部分から細菌が侵入して虫歯の原因になったり、さらに大きな破折につながったりするリスクがあります。 |
行ったご提案・治療内容 | 患者様は審美性と長期間使用できる耐久性を重視されていたため、従来の小さなインレータイプではなく、より広い範囲で歯の噛む面全体を覆うオンレータイプでの修復治療を提案しました。
メリット:被せ物の面積が広く、噛む力によって生じる負担を分散できるため、欠けや破折を予防できる メリットとデメリットを丁寧にお伝えしたところ、オンレータイプの被せ物による治療に同意いただきました。 まず、破折した既存のセラミックインレーを慎重に除去します。 オンレーに用いる素材は、強度と自然な見た目を兼ね備えたE-MAX(イーマックス)を選択しました。 後日、完成したオンレーを装着して噛み合わせを丁寧に整え、見た目や使用感に問題がないことを確認し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約2週間 |
費用 | 約110,000円 | 治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |
治療前
治療中
治療後
患者 | 60代男性 |
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主訴 | 「被せ物の根元が黒くなっているのが気になる」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、右上4番目の歯には白い被せ物が入っていましたが、加齢により歯ぐきが下がったことで被せ物が合わなくなり、土台が見えて黒くなっていました。
この歯は笑ったときに見えやすい部分のため審美性に影響が出ており、さらにこのまま放置すると隙間から細菌が入り込んで虫歯が再発するリスクもあります。 以上のことから、被せ物を取り外し新しい被せ物に交換する必要があると診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 診断結果を丁寧に説明したうえで、古い被せ物を外し歯に合った新しい被せ物を作製する治療を提案し、同意いただきました。
この歯は過去の治療で被せ物を装着する際に歯の神経を取る根管治療を行っていました。 患者様は「見た目がきれいで長持ちする被せ物がいい」と希望され、被せ物の種類は自由診療のセラミックであるジルコニアクラウンを選択しています。 ジルコニアクラウンのメリット・デメリット まず古い被せ物を除去して土台の形を整え、精密な型取りを行いました。 |
治療期間 | 約2週間 |
費用 | ジルコニアクラウン 約130,000円 |
治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、被せ物が割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |
治療前
治療中
治療後
市ヶ谷の歯医者、海谷歯科医院です。
10月は暦通りのお休みとなります。
また、下記の日程は院長不在のためクリーニングのみ受付とさせていただきます。
10月14日(火)
10月15日(水)
10月16日(木)
ご予約ご来院の際にはご確認下さい。
何卒よろしくお願い致します。