当院の患者様は治療後も予防や健康的な歯を維持するためメインテナンスに通われています。
当院の予防歯科についてご覧くださいませ。
患者 | 40代女性 |
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主訴 | 「3日前から噛むと歯に激痛が走り、食べ物をしっかり噛めない」とご相談いただきました。 フランスから来日され、紹介で当院に来院された患者様です。 |
診断 | 拝見したところ、痛みが出ていたのは右上の歯(第1小臼歯/4番)で、レントゲン画像では痛みの原因となる症状は確認できませんでした。
歯に大きな問題がないのに痛みが生じている場合、噛む力が強すぎて上下の歯が過剰にぶつかり、歯の周りの組織に刺激が加わって炎症を起こしている可能性があります。 |
行ったご提案・治療内容 | 診断結果を丁寧に説明したうえで噛み合わせを調整しましたが、痛みが引かなかったため2日後に再来院されました。
噛み合わせの調整だけでは痛みが取り除けなかったことから他に原因があると考えられ、レントゲンには映らない位置で歯が割れている可能性があること、その確認のためには歯を削って内部を調べる必要があることを説明したところ、検査に同意いただいています。 慎重に歯を削ると内部が大きく割れており、神経が炎症を起こしていました。この状態では治療してもすぐに再治療になる可能性が高く、抜歯の必要性を説明しましたが、患者様は歯を残すことを強く希望されました。 折れた歯には難易度が非常に高く、しっかり噛めるようになるかは確実ではないものの、歯を温存し痛みを解消させる方法として、神経を取り除き、歯の内部をきれいにしてから薬を詰める「根管治療」が可能です。 根管治療に使用する薬にはいくつか選択肢がありますが、今回はできるだけ歯を長持ちさせるために、殺菌効果が高く神経を取り除いた穴をしっかりと封鎖できる自費の「MTAセメント」が適していることも併せてお伝えしたところ、治療に同意いただきました。 まず部分麻酔をして根管治療を行い、痛みが引いたことを確認できてから、最終的な被せ物をしっかり支えられるよう歯に接着するタイプの土台を装着し、歯の強度を高めています。 また治療した歯が再度割れないよう噛み合わせの力を軽減するために、治療後はマウスピースをご使用いただいています。 |
治療期間 | 約1ヶ月 |
費用 | 242,000円 <内訳> 根管治療、被せ物治療 |
術後の経過・現在の様子 | 食事が快適にできるようになり、周りの歯になじんだ仕上がりになりました。
患者様からは「しっかり噛めるようになったことはもちろん、見た目もきれいになってうれしい」と大変お喜びいただきました。 治療から3ヶ月経過した現在も、痛みや違和感もなく経過は良好です。 |
治療のリスク | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・根管治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・根管治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・ジルコニアの装着に際し、天然歯を削る必要があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります |
治療前
治療中
歯を削ったところ破折が確認できました。
MTAセメントを歯の内部に詰めました。
治療後
周りの歯になじんだ被せ物が装着されています。
術後のレントゲン写真です。